小児はりについて

「小児はり」を行っています。   

まだ自分のことを説明できないからこそ。  

お母さんお父さんにとって、お子さまの体調はいつも心配の種。  
当院では、鍉鍼(テイシン)と呼ばれる刺さないはりを用いて皮膚をさする「小児はり」を行なっています。 
 小児はりとは、生まれたばかりの赤ちゃんからできる日本の伝統的な鍼灸治療です。  関東では聞きなれないかもしれませんが、西日本では昔から盛んに行われてきました。
 小児はりは、お腹や背中、手足の皮膚の状態や肌肉の状態をしっかり観察し、身体から発せられるサインを読み解き、施術します。
 まだ自分のことをうまく説明できないお子さまだからこそ、心と身体は同じだとする身心一如(しんしんいちにょ)の考えに基づき、身体に現れる反応から心の状態を読む小児はりは、お子さまの状態をしっかり把握し治療できる有効な方法の一つです。
 例えば癇癪一つとっても、身心一如で診るとお通じの調子が悪いせいで起こっている時もあります。そんな時は、お通じの調子を整えることで、癇癪が和らいでいくこともあります。
 また、お子さまの状態を東洋医学的な視点でみることは、症状に囚われずお子さま本来の体質や性格をみることができ、子育て・養生のひとつのヒントにもなり得ます。
 鍉鍼(テイシン)を用いて、第三の脳と言われる皮膚を心地よく刺激することで、著しく成長するお子さまの脳や内臓の働きをよくして、身体や心の健やかな成長・発達を助けます。 
 他にも、子ども特有のキーキー泣く、噛み付く、機嫌が悪い、夜泣き、乳吐き、食欲不振といったいわゆる「疳の虫」症状、または中耳炎、小児喘息、アトピー性皮膚炎、風邪、発熱、咳、鼻づまりといった、小児の疾患全般に効果があります。
 病院にかかるほどではないけれど、ちょっと気になることことなど、お気軽にご相談ください。

小児はりの適応症状

【生後1カ月〜1歳】 
下痢/発育不良/夜泣き/哺乳力が弱い/鼻づまり/よく泣く/寝てもすぐ起きる/便秘/寝つきが悪い/母乳を飲まない/キーキー言う/アトピー性皮膚炎 
【1歳〜2歳】 
気管支炎/下痢/癇癪を起こす/発達が遅い/風邪をひきやすい/なかなか寝ない/好き嫌いが激しい/あまり食べない/人を噛む/ダダをこねる/鼻炎/中耳炎/不眠/便秘/夜泣き/アトピー性皮膚炎/キーキー言う 
【3歳〜5歳】 
便秘/風邪をひきやすい/よく熱を出す/アレルギー/喘息/アトピー性皮膚炎/腹痛/気管支炎/発達障害/鼻炎/中耳炎/好き嫌いが激しい/食が細い/虚弱体質/不眠/落ち着きがない/友達をたたく/ダダをこねる/発育不良/幼稚園などに行くのを嫌がる 
【小学生】 
アトピー性皮膚炎/ADHD(発達障害)/アレルギー/喘息/夜尿症/風邪をひきやすい/扁桃腺炎/頭痛/不眠/不登校/チック症/起立性調節障害(OD)/小児心身症/中耳炎/便秘/腹痛/下痢/虚弱体質/食欲不振 
【中学生】 
便秘/下痢/頭痛/月経不順/不登校/起立性調節障害(OD)/アトピー性皮膚炎/発達障害/ストレス症状/虚弱体質/摂食障害/アレルギー/喘息/チック症 

一般社団法人 小児はり学会パンフレットより